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 商船三井と商船三井テクノトレード(東京・千代田)、三井造船昭島研究所(東京都昭島市)、東海大学は、推進に風を利用する船舶について共同研究を開始する。商船三井グループの3社が採用を進める船型に、東海大学工学部航空宇宙学科准教授の福田紘大氏らが持つ流体力学・流体シミュレーション技術を取り入れて、推進の効率を高める。

* 商船三井のニュースリリース: https://www.mol.co.jp/pr/2022/img/22091.pdf

 商船三井など3社は共同で、風を船舶の推進力に変える船型「ISHIN船型」を開発し、船舶への採用を進めている。同船型は、船首・船側方向からの風圧を低減する形状として風の流れをスムーズにするとともに、斜め向かい方向の風から受ける揚力を船舶の推進力として利用する。同船型を船舶に採用することにより、温暖化ガスの排出量を削減できる。例えば北米航路運航では、約5%の温暖化ガス削減が可能だという。

 さらに今回、商船三井などは東海大学の福田研究室と協業。同船型に、航空宇宙や自動車などの分野で用いられる流体工学・シミュレーション技術を組み合わせて、船体形状の改善に取り組む。北米航路での温暖化ガス削減効果を約12%に向上させる目標だ。

 商船三井グループは、2021年6月に公表した「商船三井グループ環境ビジョン2.1」で、2050年までにグループ全体でのネットゼロ・エミッション達成を中長期目標に掲げる。その実現に向けた戦略の1つとして、船舶からの温暖化ガス排出削減を設定し、ISHIN船型を含む省エネルギー技術の導入に取り組んでいる()。一方の福田研究室は、ロケットや航空機の流体力学特性の把握をはじめ、高性能ソーラーカーの空力開発、ソーラー無人飛行機の開発、流体シミュレーションの医療分野への応用といった研究を展開している。商船三井などとの共同研究により、研究の領域を船舶分野へ広げる。

図 「商船三井グループ環境ビジョン2.1」の実現に向けた戦略
図 「商船三井グループ環境ビジョン2.1」の実現に向けた戦略
(出所:商船三井)
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 今回の共同研究は、日本舶用工業会が募集した2022年度「新製品開発助成事業」に採択され、日本財団の助成を受けている。