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 米Analog Devices(アナログ・デバイセズ:ADI)は、間接ToF(Time to Flight)方式の3D距離(深度)測定モジュールを2022年中に発売する ニュースリリース 。新製品の特徴は、画素数が100万画素(1024画素×1024画素)と多いこと(図1)。研究開発成果として100万画素の間接ToFモジュールが発表された例はあるが、製品として発売するのは今回が初めてという。「これまで発売された間接ToFモジュールはVGA(640画素×480画素)品が最大の画素数だった」(同社)。

図1 100万画素の間接ToF(iToF)モジュール
図1 100万画素の間接ToF(iToF)モジュール
(出所:Analog Devices)
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 応用先は、仮想空間(メタバース)やロジスティックス、マシンビジョン、ロボット、ヘルスケアなど。「例えば、メタバースでは、3Dアバターを作成したり、現実世界を3D測定して仮想空間にマッピングしたりするなどの用途に適用できる(図2)。ロジスティックスに適用すれば、荷物の寸法を瞬時に測定して最適な箱に梱包することなどが可能になる」(同社)。

図2 新製品で取得した3D深度画像と赤外線画像
図2 新製品で取得した3D深度画像と赤外線画像
左図は、新製品で取得した3D深度画像である。深度(Z)に応じて着色した。右図は、新製品で取得した赤外線画像である。新製品は、間接ToF(iToF)方式のレーザー光の受光のほか、赤外線カメラとして使用することもできる(出所:Analog Devices)
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 新製品は、米Microsoft(マイクロソフト)の間接ToF方式3Dセンサー技術「Azure Kinect」をベースに、ADIのアナログ回路技術や信号処理技術、CMOSイメージセンサー技術、光学技術などを組み合わせた ニュースリリース 。モジュールに搭載した部品は、100万画素のCMOSイメージセンサーのほか、発振波長が940nmの赤外VCSEL(面発光型半導体レーザー)やレーザードライバーIC、光学レンズ、光学フィルターなど(図3)。CMOSイメージセンサーはADIが独自に開発、製造したもので、型番は「ADSD3100」。VCSELは米Lumentum Operations(ルーメンタム・オペレーションズ)の製品を採用した。測定した深度データ(Raw Data)はMIPI CSI-2形式の信号で出力し、外付けの画像処理(深度処理)プロセッサーなどに送る。

図3 新製品の内部ブロック図
図3 新製品の内部ブロック図
ADIが独自に開発、製造したCMOSイメージセンサー「ADSD3100」や、面発光型半導体レーザー(VCSSEL)、レーザードライバーIC、光学レンズ、光学フィルター(帯域通過型)などを1つのモジュールに収めた(出所:Analog Devices)
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 新製品の間接ToFモジュールの型番は「ADTF3175」。測定可能な深度(距離)は0.4〜4m。測定誤差は±3mm。測定可能なフレーム速度は500フレーム/秒。視野角(FOV)は75度×75度である。外形寸法は42mm×31.5mm×15.1mm。動作温度範囲は−20〜+65℃。1000個購入時の参考単価は197米ドルである。

 なお、同社は間接ToF方式を「インダイレクトToF(iToF)方式」と呼ぶ。間接ToF方式では、VCSELから照射したレーザー光が、対象物に反射して戻ってきたものをCMOSイメージセンサーで検出し、そのレーザー光の位相遅れ分を測定することで対象物との距離を求める(図4)。VCSELは最大320kHzの周波数で変調して駆動し、連続波を出力する。

図4 間接ToF(iToF)方式の測定原理
図4 間接ToF(iToF)方式の測定原理
間接ToF方式は、VCSELから照射され、対象物(Target)で反射して戻ってきたレーザー光の位相遅れ分(位相オフセット)を測定することで対象物との距離を求める。VCSELから出力されるレーザー光は連続光で、最大320MHzの周波数で変調する(出所:Analog Devices)
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■変更履歴
記事公開後、ADIから「製品の発売は発表と同時ではなく、2022年内の予定」という追加情報が届きました。これに従い、本文の該当部分を修正しました。(2022年8月17日18:40)