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 ブリヂストンは2022年8月10日、2030年までにインドネシアに保有する天然ゴム農園へ2670万ドル(約35億5000万円、1ドル=133円換算)を投資すると発表した。天然ゴムの持続的な供給を目指し、最新技術を導入することで、2035年までに同じ面積での収量を2022年比で約2倍に向上させる。

最新のIT技術で収量倍増を目指すインドネシアの天然ゴム農園
最新のIT技術で収量倍増を目指すインドネシアの天然ゴム農園
(写真:ブリヂストン)
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 今回の投資により、ブリヂストンは再生可能資源としての天然ゴムを持続的に調達するため、自社農園の生産性の向上を図る。まず、ゲノム解析技術で安定した収量を持つ優良種(エリートツリー)を選抜し、導入する。植林は、自社農園内のパラゴムノキの樹齢や、植林サイクルを踏まえて計画的に実施し、継続させる。成長時には、AI(人工知能)画像診断を用いて、パラゴムノキの病害を高精度に診断し、対策する。また、ビッグデータを活用した植林計画の最適化システムなど、最新技術を導入する。

 AI画像診断を用いた病害診断技術は、電通国際情報サービス(ISID)と共同開発したもの。ドローンによる空撮画像から根白腐病(ねしろぐされびょう)にかかっている木を見分ける。この技術を使えば、品種や樹齢に関係なく約90%の精度で罹病の有無を判定できることを確認したという。

 ビッグデータを活用した植林計画の最適化システムは、情報・システム研究機構 統計数理研究所の学術指導を経て、土壌や病害予防などの複雑な制約を数理モデル化し、農園から得られた収量や面積などのデータに混合整数計画法を適用して開発したという。このシステムにより、「いつ」「どの品種を」「どの程度の量で」「どこに」植林すれば、天然ゴムの高い生産性を持続できるかが分かるとする。

 ブリヂストンはインドネシアのスマトラ島とカリマンタン島に合計1万3900haの天然ゴム農園を保有している。これらの農園を持続的に運営することで、年間約590万トンのCO2を樹木に固定できる。今後も荒廃地への植林やエリートツリーの拡大で、CO2固定量の拡大を図るという。