PR

 三井化学と帝人は、バイオマス・ポリカーボネート樹脂(以下、バイオマスPC樹脂)や、その原料となるバイオマス・ビスフェノールA(以下、バイオマスBPA)の市場展開に向けた取り組みを始める(図1、2)。三井化学が市場へ供給したバイオマスBPAを帝人が調達し、バイオマスPC樹脂を生産する。石油由来のBPA・PC樹脂からの置き換えが進めば、製品ライフサイクル全体における温暖化ガス排出量の削減が期待できる。

図1 三井化学大阪工場(大阪府高石市)のBPAプラント
図1 三井化学大阪工場(大阪府高石市)のBPAプラント
(出所:三井化学)
[画像のクリックで拡大表示]
図2 PC樹脂
図2 PC樹脂
(出所:帝人)
[画像のクリックで拡大表示]
* 三井化学と帝人のニュースリリース: https://jp.mitsuichemicals.com/jp/release/2022/2022_0809.htm

 三井化学は、ISCC PLUS認証(国際持続可能性カーボン認証)に基づいたマスバランス方式でバイオマスBPAを生産する。帝人は、三井化学からバイオマスBPAを調達。同方式でバイオマスPC樹脂を生産するために、ISCC PLUS認証の取得に向けた取り組みを進める。

 ISCC PLUS認証に基づいたマスバランス方式は、原料から製品への加工・流通過程において、ある特性を持った原料Aとそうでない原料Bを混合させる場合に、原料Aの投入量に応じて、製品に原料Aの特性を割り当てる手法。例えば、バイオマス由来の原料と石油由来の原料を3:7の割合で混ぜたプラスチックの場合、その製品の3割を「バイオマス原料100%のプラスチック」とみなす。三井化学は、2022年5月にBPAについてISCC PLUS認証を取得している。帝人は、2023年前半にはPC樹脂でISCC PLUS認証を取得し、バイオマスPC樹脂の生産を始める計画だ。

 両社によると、自動車のヘッドランプや電気・電子部品などのさまざまな用途に使われるPC樹脂は、リサイクル製品が市場に広まりつつある一方、環境負荷の低い新しい製品へのニーズも高い。バイオマスBPAやバイオマスPC樹脂は石油由来のものと物性が同等で、従来品からの置き換えが容易だという。帝人は、環境配慮型製品の選択肢が増える点を顧客企業へ訴求し、バイオマスPC樹脂のマーケティング活動を展開していく。

 一方の三井化学は、2021年12月から廃棄植物油や残さ油などに由来するバイオマスナフサのナフサクラッカー(ナフサ分解装置)への投入を進め、ISCC PLUS認証に基づいたマスバランス方式によるバイオマス誘導品を生産している。同社はバイオマスナフサの調達網の拡大も検討し、市場への安定的な製品供給を目指す。

 同社は、グループとしてバイオマスナフサ誘導品のISCC PLUS認証取得を進めるが、フェノール事業については、既にフェノールとアセトン、BPA、α-メチルスチレンの4製品で同認証を取得している。2024年3月末までには、外販する全フェノール・チェーン製品のISCC PLUS認証登録とそれらの販売を始めるとの目標を掲げている。