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 米Intel(インテル)は、動画配信向けの動画圧縮符号化処理仕様「AV1(AOMedia Video 1)」に対応したエンコーダーを備えたデータセンター向けGPUカード「Flexシリーズ」を2022年8月24日(米国時間)に正式発表した ニュースリリース 。開発コード名はArctic Sound-Mであり、2022年2月17日(現地時間)に開いた投資家向け会議「Investor Meeting 2022」において、AV1エンコーダーを備えた初めてのデータセンター向けGPUカードとして紹介していた*1

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 2022年5月10日と11日(米国時間)にビジネス顧客に向けて開催したプライベートイベント「Intel Vision 2022」においては、Arctic Sound-Mが2製品からなることを明らかにしている*2。今回、この2製品がFlexシリーズという名称で今回正式発表された(図1)。TDP(熱設計電力)が75Wの「Flexシリーズ140」(以下、Flex 140)と同150Wの「Flexシリーズ170」(以下、Flex170」である。

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図1 上がFlex 170、下がFlex 140
図1 上がFlex 170、下がFlex 140
(出所:Intel)
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 Flexシリーズの2製品はどちらもGPUマイクロアーキテクチャーは「Xe-HPG(High Performance Graphics)」である。IntelはこのマイクロアーキテクチャーのGPU SoCチップとして、Xeコア(従来、実行ユニット(EU)と呼んでいた回路ブロック)数が8個の「ACM-G11」と32個の「ACM-G10」を2022年3月30日(米国時間)に発表している*3。Xeコア数から推定して、Flex 140にはACM-G11を2個、Flex170にはACM-G10を1個搭載しているとみられる。

図2 Flexシリーズ2製品の主な仕様
図2 Flexシリーズ2製品の主な仕様
(出所:Intel)
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*3 関連記事 TSMCが製造、IntelのノートPC向け単体GPU第2弾

 今回Intelは競合する米NVIDIA(エヌビディア)製品とFlexシリーズの処理性能の比較結果を発表している(図3)。例えば、Flex 140はNVIDIAの「A10」の半分の消費電力で5倍のメディア・トランスコード・スループットや2倍のデコードスループットが得られるという。また、Flex 140カード1枚で1080p解像度60Hzリフレッシュレートの動画のトランスコードを最大36ストリーム、4K解像度60Hzリフレッシュレートの動画のトランスコードを8ストリーム処理可能とする。AV1エンコードでは、帯域幅を30%以上削減できるという。Intelの「Deep Link Hyper Encode」機能を利用して2枚のFlex 140カードを使用した場合、8K解像度60Hzリフレッシュレートの動画のリアルタイムトランスコードが可能になると同社は説明する。

図3 新製品の処理性能の評価結果
図3 新製品の処理性能の評価結果
(出所:Intel)
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 またIntelはクラウドゲーミング性能に関しては次のように説明している。すなわち、Flex 140のカード1枚で、主要なタイトルにおいて同時に46ストリームを720p解像度30Hzリフレッシュレートで描画できる。GPU Flex 170のカード1枚で同68ストリームを720p解像度30Hzリフレッシュレートで描画できるという。またFlex 140を6枚構成にした場合、最大216ストリームを720p解像度30Hzリフレッシュレートで描画可能としている。

 Flex 140/170を搭載したシステムは、米Dell Technologies(デル テクノロジーズ)や米Hewlett Packard Enterprise(HPE)、中国New H3C Technologies(H3C)、中国Inspur Group(インスパー グループ)、中国Lenovo(レノボ)、米Super Micro Computer(スーパー マイクロ コンピューター)などから近く登場するという。またクラウドゲーミング向けにも数カ月以内に提供が始まる予定とされる。