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 ドイツBMWは2022年8月31日、ミュンヘンにある水素コンピテンスセンターで燃料電池システムの小規模生産を開始したと発表した。2022年末から製造する燃料電池のデモンストレーション車両「iX5 Hydrogen」に搭載する。この燃料電池システムは第2世代で、初代と比べて小型・軽量化しつつ、燃料電池の連続出力を2倍以上の125kW(170hp)に向上させたという。

小型化し出力を倍増した第2世代燃料電池システム
小型化し出力を倍増した第2世代燃料電池システム
(写真:BMW)
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 iX5 Hydrogenはこの燃料電池システムと、BMWの第5世代の電動パワートレーン「eDrive」を組み合わせたもの。燃料電池システムに加え、このモデル用に開発した高性能2次電池などを組み合わすことで、パワートレーンの出力は275kW(374hp)を目指すという。また、すでに2022年初めにスウェーデンでiX5 Hydrogen試作車による冬季テストを実施しており、非常に低い気温でも通常使用できることを実証している。

燃料電池パワートレーン
燃料電池パワートレーン
(写真:BMW)
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 燃料電池の中では、タンクから供給される水素と空気中の酸素が化学反応を起こす。燃料電池の電解質膜に両元素を安定して供給し続けることが、駆動システムの効率を上げることにつながる。BMWは、チャージ・エア・クーラーやエアフィルター、制御装置、センサーなど、エンジン車でも使われた部品に加え、タービン付き高速コンプレッサーやクーラントポンプなど、燃料電池システム専用の部品も開発している。

燃料電池スタックの製造工程
燃料電池スタックの製造工程
(写真:BMW)
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 燃料電池システムは、個々の燃料電池を組み立てて燃料電池スタックとし、次に他のすべての部品を取り付けるという2つの工程で製造する。燃料電池自体はトヨタ自動車から調達している。両社は2013年から燃料電池駆動システムの開発で協業関係にある。