ハイケム(東京・港)は2022年9月5日、同社の国内2番目となる研究拠点「ハイケム東京研究所 素材研究支所」(以下、素材研究支所)を千葉県柏市に開設すると発表した。同年9月12日から本格稼働する。素材研究支所ではハイケムが従来行ってきた生分解性材料の合成、改質および応用開発を進める。加えて、同年1月に発表した、リコーとの高分子量ポリ乳酸(PLA)の量産化に向けた共同開発プロジェクトの推進も加速させる。

ハイケム東京研究所 素材研究支所の外観
ハイケム東京研究所 素材研究支所の外観
(出所:ハイケム)
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 両社は2021年11月、高分子量PLAの量産化に向けた基本合意書を締結。リコーが培ってきた同PLAの製造技術とハイケムの生分解性プラスチックにおける市場開拓の実績を生かして、同PLAの量産化に向けた共同開発に取り組んでいる。

 PLAはトウモロコシのでんぷんなどを原料とした生分解性バイオマスプラスチックだ。焼却しても大気中の二酸化炭素(CO 2)が増えないため、化石燃料由来のプラスチックよりも環境負荷が低く、また一定の環境下で水とCO 2に分解する生分解性を持っているため、脱炭素社会の実現や廃プラスチックによる環境汚染の低減が期待されている。一方で化石燃料由来のプラスチックと比べると分子量が低く、化学構造が単純なため、強度や耐熱性が低いことが課題だった。

 高分子量PLAは、リコーが持つ超臨界二酸化炭素を用いた可塑化重合法により製造した、質量平均分子量が30万以上のPLAだ。従来のPLAよりも耐熱性や強度に優れているため、エンジニアリングプラスチックなど新しい用途への展開・拡大が期待されている。

 ハイケムは、中国最大のPLAメーカーの豊原集団と事業戦略パートナーシップ契約を締結して、中国からの各種生分解性材料の取り扱いを強化。また、生分解性プラスチック市場で培った市場開拓力を強みとしている。今後は素材研究支所を高分子量PLAの量産化検討の重要な拠点と位置付け、リコーとのさらなる連携強化を図り、量産化に向けた共同開発に一層注力する。