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 ヤマハ発動機は、最大50kgの積載が可能な産業用無人ヘリコプターを開発した。従来機よりも有効積載量を増やし、運搬効率を高めた。山間部での資材運搬や目視できない長距離の運搬といった用途を想定する。

ヤマハ発動機のニュースリリース

 新型機は、自動航行型の産業用無人ヘリコプター「FAZER R G2」をベースに開発した運搬専用機。回転翼を直径3120mmから3600mmに大径化して推力を高めるとともに、形状も見直して冷却性能を高めた。併せて、燃料タンクの容量を変更したり、軽量のカメラやリチウムイオン電池を採用したりすることで、有効積載量を15kg以上増やした。1トンの資材を運ぶのに従来機が最低29回のフライトを要していたのに対し、新型機は最低20回のフライトで済む。

 産業用無人ヘリコプターの用途は、送電線などインフラの点検、測量・観測、撮影、警備などさまざまな分野に広がっている。特に近年は、物流の課題を解決する手段としての期待が高まっているという。同社は既に、電力会社からの委託で送電線関連の資材の搬送を実用化している。他にも、航空会社との連携による離島からの産品搬送、宅配会社との連携による中山間部への荷物配送など、社会実装に向けた取り組みを進めている。

産業用無人ヘリコプター「FAZER R G2」をベースに開発した運搬専用機(写真:ヤマハ発動機)
産業用無人ヘリコプター「FAZER R G2」をベースに開発した運搬専用機(写真:ヤマハ発動機)
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FAZER R G2(従来機)による資材搬送の様子(写真:ヤマハ発動機)
FAZER R G2(従来機)による資材搬送の様子(写真:ヤマハ発動機)
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