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 情報通信研究機構(NICT)は慶応義塾大学、東京理科大学、東京大学と共同で、最適な量子演算シーケンスを体系的に見つけ出す手法を開発した。数十量子ビット程度の量子コンピューターを動かす場合のパフォーマンス向上や環境負荷の低減が期待できるという。

 量子演算シーケンスは、量子コンピューターがタスクを実行する手順を表したもの。1量子ビット演算と2量子ビット演算から成り立つ。従来は人が独自のやり方で最適だと思われる量子演算シーケンスを書いていた。

 新手法では「GRAPE(GRadient Ascent Pulse Engineering)」と呼ばれる数値最適制御理論アルゴリズムを利用する。量子ビットの数と調査対象の操作の数に対して、数千から数百万ある量子演算シーケンスの可能性の中から最適な量子演算シーケンス、すなわち最も少ない操作数で高いパフォーマンスを発揮するシーケンスを特定する。

同じタスクでも量子演算シーケンスは複数存在する
同じタスクでも量子演算シーケンスは複数存在する
(出所:情報通信研究機構)
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 量子ビットにおいて安定した量子状態を維持できる時間は限られている。最適な量子演算シーケンスを見つけることで、量子状態が安定している時間内により多くの情報を処理できるようになる。