エヌエスアイテクス(東京・港)とデンソーテン(神戸市)は、人工知能(AI)による物体検出システムを開発した。両社の技術を組み合わせて低消費電力を実現した。車載やセキュリティーカメラ、ファクトリーオートメーション(FA)などの用途を想定する。
エヌエスアイテクスのニュースリリースエヌエスアイテクスのAI向けアクセラレーター「ML041」と、デンソーテンの軽量エッジAIを組み合わせた。ML041は、入力データの分割や、レイヤー処理の連結といった独自技術により、外部メモリーアクセスを最小化しており、電力効率が高いという。さらに、デンソーテンの軽量エッジAIと組み合わせることで、演算精度を劣化させることなく演算量を1/7に削減し、消費電力を0.06Wに低減した。
一般に物体検出AIは、物体を識別するための特徴を抽出する特徴抽出部と、特徴量に基づいて物体を識別するオブジェクト検出部に分かれる。いずれも多くの演算が必要な畳み込み演算が使われるが、デンソーテンの軽量エッジAIでは特徴抽出部の一部演算を近似演算に置き換えるなど工夫によって、少ない演算量で高精度な物体検出を可能にしている。