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 独立系調査会社の英Opensignalは2022年9月8日、日本の主要空港や山手線での5Gモバイル体験を分析したリポートを公開した。日本の平均値と比較した場合、長時間の5G接続は可能だが、5Gダウンロード速度ではそれほど大差がないことなどを報告している。

関連リポート: The 5G experience in Japan’s transport hubs: Yamanote line and international airports

 山手線で5Gサービスに接続可能な時間は17.2%で、東京や横浜での平均値の2.3~2.6倍に当たる。これには、日本の通信事業者が山手線をターゲットに5Gインフラを展開していることも影響している。また、山手線での平均ダウンロード速度は47.9Mビット/秒、5Gでは182.1Mビット/秒となっており、東京や横浜での平均値との大きな差異は見られなかった。

山手線の5G体験
山手線の5G体験
5G可用性は東京や横浜より高いがダウンロード速度では大きな差異はない(出所:Opensignal)
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 個々の駅でのモバイルネットワーク体験を見てみると、渋谷駅の平均ダウンロード速度が45.2Mビット/秒、秋葉原駅では56.6Mビット/秒と、秋葉原駅の方が25.2%速い。5G平均ダウンロード速度では、東京駅が215.8Mビット/秒、池袋駅では155.6Mビット/秒で、東京駅の方が38.7%速い。また、5G可用性では秋葉原駅で22%と、利用中の約4分の1の時間で5Gサービスに接続可能との結果が得られている。

山手線主要駅の5G体験
山手線主要駅の5G体験
渋谷、新宿、池袋、東京、秋葉原各駅での平均下り速度、5G時下り速度、5G可用性を示した(出所:Opensignal)
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 山手線内には六本木、渋谷、新宿といった、東京でも特に通信量の多い地域がある。この3つのエリアの時間帯別モバイル体験を見てみると、午前6時から午後12時の間は、4Gと5Gの平均ダウンロード速度が全般的に速く、午後になると4Gユーザーで14.4%、5Gのユーザーで39%減少する。

六本木、渋谷、新宿エリアの5G体験
六本木、渋谷、新宿エリアの5G体験
東京の繁華街では午後になると4G、5Gともダウンロード速度が低下する(出所:Opensignal)
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 日本の5つの空港(中部、羽田、関西、成田、大阪)を対象にした調査では、ユーザー全体の平均ダウンロード速度は49.8 Mビット/秒、5Gでは186.6Mビット/秒となっている。5G可用性についても8.6%で、こちらは全国平均のほぼ2倍だった。

 一方、これらの空港では、携帯電話の電波が全く届かない状態が全国平均の約8倍、4.1%もあった。これは、空港には、建物の構造として信号が届きにくい場所が多いことに加え、規制の影響も考えられる。同様の問題は、米国の空港でも観察されている。

日本の主要空港では携帯電話の電波が全く届かない状況が国内平均の8倍も発生する
日本の主要空港では携帯電話の電波が全く届かない状況が国内平均の8倍も発生する
日本の5つの空港(中部、羽田、関西、成田、大阪)を対象にした調査結果(出所:Opensignal)
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 現在、日本の5Gは、固定衛星サービスや空港近くの高度計などとの干渉を避ける目的で用意された電力放出ガイドラインの影響を受けている。しかし、こうした規制は、2023年には首都圏などで緩和される見通しとなっている。