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 スウェーデンVolvo Cars(ボルボ)は2022年9月27日、レーダー式の車内監視システムを開発したと発表した。眠っている子供が呼吸するときの、かすかな動きを検出できる精度と感度を持つ。荷室を含む車室内全体をカバーするシステムは世界初という。この新しい車内レーダーシステムは、間もなく発売する電気自動車(EV)のSUV「EX90」に初めて搭載し、その後、他のモデルにも採用する予定。

ドライバーがドアをロックするタイミングで警告する
ドライバーがドアをロックするタイミングで警告する
(写真:Volvo Cars)
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 子供やペットを車内に置き去りにして、熱中症で死亡させてしまう事故は日本だけでなく欧州や米国でも多い。米国政府の統計によると、1998年以降で900人以上の子供が車内に置き去りにされて死亡しているという。熱中症による死亡事故の大半は、子供が車に乗っていることを忘れたことが原因で発生している。また、高温や低温にならない季節でも、連れ去りなどの犯罪の可能性があるため、子供だけで車内にいることが違法となる地域もある。

 最近は、こうした置き去りを防止するため車内監視システムの必要性が高まり、開発が進められている。欧州では新車安全性評価団体のEuro NCAPが2023年から、車内の子供の置き去りを検知する「Child Presence Detection(CPD)」を評価項目に導入する。

 ボルボの新しいシステムは、オーバーヘッドコンソール、天井の室内灯、トランクルームの3カ所にセンサーを搭載し、車内全体のサブミリ単位の動きを検出する。可能な限り車室内をすみずみまでカバーし、子供やペットの置き去りを見逃さないために、前後にレーダー式センサーを配置する。

 注意力散漫になることや、ちょっとしたミスは人間なら日常茶飯事である。同社は置き去りを検知した際に通知する最適なタイミングは、クルマをロックしようとしたときであると判断した。クルマをロックしようとするたびに室内レーダーシステムが作動し、システムが子供やペットがいないと判断してからロックされる。

 もし子供やペットの存在を検知した場合、センターコンソール画面に警告が表示され、ロックもかからなくなる。また、人や動物が検知された場合、クルマの空調システムをオンにしたままにすることもできる。これにより、低体温症や熱中症のリスクを低減できる。