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 インテックと東京大学大学院医学系研究科次世代病理情報連携学講座は、臨床医の病理診断報告書の確認漏れを抑制するシステムの実証実験を実施した。治療開始の遅れによる症状の悪化や、本来切除しなくてもよい臓器の切除といった、病理診断の確認不足により生じるインシデントを防ぐ狙いだ。

病理診断未伝達防止システムのデモ画面
病理診断未伝達防止システムのデモ画面
(出所:インテック)
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 実証実験では、医用画像管理システムなどを手掛けるPSPが東大の支援のもと開発した「病理診断未伝達防止システム」を、インテックの病理・細胞診検査業務支援システム「EXpath」に組み込んだ。東大付属病院が持つ約4万人分のカルテ情報を用いた。診断材料や臨床診断名、病理診断といった患者データをAIで解析し、臨床診断と病理診断それぞれの良性、悪性を判定した。臨床診断が良性にもかかわらず病理診断が悪性の場合赤色で警告を出すなど、臨床診断と病理診断の良性、悪性の食い違いを4段階で表示した。

 実証実験の実施期間は2022年7月19日から9月30日。今後は実証実験の結果を基に機能の有効性と課題の深掘りを行い、EXpathのオプション機能として病理診断未伝達防止システムを追加する予定。