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 米General Motors(GM)は2022年9月29日、米OneD Battery Sciences(ワンディバッテリーサイエンス)と電気自動車(EV)向け電池のシリコン負極の技術開発で提携したと発表した。GMのEV向けプラットフォーム「Ultium」に搭載する電池セルに、OneDのシリコン・ナノテクノロジー「SINANODE」を使用する可能性に焦点をあてて、開発に協力する。

(出所:OneD Battery Sciences)
(出所:OneD Battery Sciences)
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 SINANODEは、EV電池用のグラファイトにシリコン・ナノワイヤーを融合し、負極にシリコンを付加する技術だ。シリコンはグラファイトの10倍のエネルギーを蓄えられる。シリコンを付加することでエネルギー密度が向上し、より小型・軽量で効率的な電池となり、低コストでEVの走行距離を延長できるという。

 OneDは、シリコン材料をシンプルな方法で負極に利用することを目指してきた。SINANODE技術を採用することで、既存のサプライチェーンや生産プロセスを混乱させることなく、効果的にシリコン負極を実現できるとする。

 今回、GMの投資会社であるGM Ventures(GMベンチャーズ)と、電池およびエネルギー分野を専門とする投資会社の米Volta Energy Technologies(ボルタエナジーテクノロジーズ)が、OneDのシリーズC資金調達ラウンドに参加した。OneDはこの投資ラウンドで2500万ドル(約36億円、1ドル=145円で換算)を調達した。OneDは過去15年間の研究開発で240件以上の特許を取得している。今回の資金調達により、同社のビジネスモデルは、SINANODE技術のライセンス供与に集中する。

 GMは、Ultiumプラットフォームを採用したEVを急速に増やし、2025年までに年間EV生産能力を100万台にすることを目指している。EVに搭載する電池は、GMと韓国LG Energy Solution(LGエナジーソリューション)の合弁会社、Ultium Cells(アルティウムセルズ)が2022年初めからオハイオ州で生産を始めた。他に2カ所の米国工場を建設中で、さらに4番目の工場も計画している。また、GMはミシガン州にあるWallace Battery Cell Innovation Centerで、より高度な技術の開発を進めており、電池セルやモジュールの生産に迅速に展開できる方法を研究しているという。