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 日清紡マイクロデバイスは、歩行者などの移動体を検知するドップラー・センサー・モジュール(図1)の新製品を発売した ニュースリリース 。応用先は、照明機器やセキュリティー機器、見守り機器、居残り検知機器などである。

 新製品の特徴は2つある。1つは、モジュールの厚さが3mmと薄いこと。同社従来品は5.2mmであり、約40%薄型化した。同社によると「業界最薄レベルを達成した」という。もう1つは、移動体を検知できる距離を同社従来品に比べて3倍の最長30mに延ばしたこと。同社従来品は10mだった。「建物の階段灯やセキュリティー機器などに搭載すれば、従来品に比べてより遠くの歩行者を検知できる」(同社)。

図1 厚さが3mmの薄型ドップラー・センサー・モジュール
図1 厚さが3mmの薄型ドップラー・センサー・モジュール
写真は、送信と受信のアンテナパッチがそれぞれ1個の1×1アンテナのタイプである。この製品は最長20m先の移動体を検知できる。(出所:日清紡マイクロデバイス)
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 新製品は、24GHz帯の電波(マイクロ波)を使う。この電波を照射し、反射して戻ってきたものを受信することで移動体を検知する。新製品の名称は「NJR4267シリーズ」。モジュールには、マイクロ波回路やアンテナ、制御/信号処理向けマイコンなどを収めた。送信電力(等価等方放射電力)は+10.1dBm。「送信電力は、当社従来品の+9.8dBmとほとんど変わらない。それにもかかわらず移動体の検知距離を約3倍に延ばせたのは、マイクロ波受信回路の雑音を抑えて信号対雑音(SN)比を高めたためである」(同社)。

 アンテナの構成が異なる2つのタイプを用意した。送信と受信のアンテナパッチがそれぞれ1個の「1×1アンテナ」と、送信と受信のアンテナパッチがそれぞれ2個の「2×1アンテナ」である。前述の最長30mの検知距離が得られるのは2×1アンテナのタイプである。ただし、このタイプの検知角度は水平84度/垂直66度と狭い。1×1アンテナのタイプは水平80度/垂直110度と広い検知角度が得られるが、検知距離は最長20mにとどまる。

 送信信号の周波数は24.15G〜24.25GHz。モジュールの外形寸法は17.2mm×25mm×3mm。電源電圧は+3.8〜5.8V。消費電流は間欠動作時に1.5mA、非間欠動作時に55mA。新製品の主な仕様は以下の通り(図2)。新製品のサンプル出荷は2022年10月に始める。サンプル品の単価は、1000個購入時に1760円(税込み)。量産は22年12月に月産5000個規模で始める予定である。

図2 新製品と従来品の主な仕様
図2 新製品と従来品の主な仕様
左は今回の新製品「NJR4267F2A1」、右は同社従来品「NJR4266JA1」(右)。どちらも1×1アンテナのタイプの仕様である。(出所:日清紡マイクロデバイス)
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歩行者などの移動体を検知するセンサー

 歩行者などの移動体を検知するセンサーとしては、本文で紹介したマイクロ波ドップラーセンサーのほかに、赤外線センサーや焦電センサー、ミリ波センサーなどがある。マイクロ波ドップラーセンサーは赤外線センサーと焦電センサーに比べて劣悪な環境でも使用できる。赤外線センサーは直射日光が当たる環境や霧が深い環境、煙が充満した環境などでは使いづらく、焦電センサーは高温や低温の環境などへの適用が難しい。ただし、マイクロ波ドップラーセンサーの方が価格は高い。なおマイクロ波ドップラーセンサーはミリ波センサーよりは安価で、かつ長距離の移動体検知が可能である。ミリ波センサーは、近距離における人間の細かい動作(ジェスチャー)の検出などに適している。