シャープは、2022年10月1日からオンラインで一部開催されている最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC 2022」で、超小型の生体(バイタル)センシング用のセンサーを出展している(図1)。寸法が1.75mm×1.0mm×0.35mmと米粒と比較してもかなり小さいため、指輪やイヤホンのような小型のウエアラブル機器にも搭載でき、あらゆる場面で手軽な体調管理が可能となるとしている。2023年3月に発売を予定している。

同製品は血液中に含まれるヘモグロビンが光を吸収する性質を利用する。センサーから赤外光(波長940nm)を照射し、血液中を伝搬した後の光量を計測することで生体情報を収集する(図2)。
具体的には、血管が収縮するとヘモグロビンによる光の吸収が減るため、通常時より光量が多くなる。一方、血管が拡張する場合はその逆だ。こうした計測を連続的にすることで、脈波を計測する。計測した脈波に含まれる情報を使って、血中酸素飽和度(SpO2)、血圧、興奮度など様々な生体指標を算出する(図3)。
センサーのサイズが小さいため脈波信号の受信量は弱くなるが、独自回路と独自アルゴリズムの適用から解析ができるように改善した。市販品のセンサーと同等の精度で生体情報を出力することを目指すという。また、センサーの待機電力の低下も実現しており、同社が手掛ける従来の生体センサー(5.6mm×2.1mm×1.25mm)比で1/30まで改善している。