ドイツZFは、2つの駆動用モーターと2つのインバーター、3速に対応するギアボックスを一体化した大型商用車向けの電動アクスル「CeTrax 2」を開発した。インバーターに組み込むパワー半導体素子にSiC(炭化ケイ素)を採用し、小型・軽量化と効率の向上を図った。2023年に大手トラックメーカー向けに量産を始める。
SiC製のパワー半導体は両インバーターに搭載し、電圧800Vのシステムに対応する。システムの効率は最大96%で、質量は約385kgである。
内燃機関(ICE)車における変速機の搭載空間に収まるように設計したという。ICE車向けのプラットフォーム(PF)と電動車両向けのPFのどちらにも搭載できるとしている。
定格出力は360kWで、最大トルクは2万4700N・m。対応できる車両質量は最大で44t(トン)としている。ZFは前世代品に当たる電動駆動システム「CeTrax」を2020年から量産しており、最高出力は300kW、最大トルクは4500N・mだった。同前世代品は、ポーランドのバスメーカーであるSolaris(ソラリス)の電動バスなどに採用されている。