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 音楽教室のレッスンでの演奏に対する音楽著作権使用料の支払いを巡り、ヤマハ音楽振興会など音楽教室側と日本音楽著作権協会(JASRAC)が争っていた訴訟で、最高裁判所第1小法廷(深山卓也裁判長)は2022年10月24日、JASRACの上告を退ける判決を言い渡した。これにより一連の訴訟では、教師による演奏のみが演奏権(著作権の支分権の1つ)の対象となり、音楽教室側に音楽著作権使用料の支払い義務が生じ、生徒の演奏については生じないとする判断が確定した。

 一連の訴訟を巡っては、2021年3月に知的財産高等裁判所が教師による演奏については音楽教室の支払い義務を認める一方、生徒の演奏については「音楽教室が音楽著作物を利用しているとはいえない」として、支払い義務がないとの判断を示していた。最高裁では2022年9月、生徒の演奏のみを対象として口頭弁論が開かれており、生徒が演奏する際に音楽著作物の利用主体は音楽教室であるといえるかが争点となっていた。

 最高裁の判決では生徒の演奏について、「教師の行為を要することなく生徒の行為のみによって成り立つ」とした。さらに教師の伴奏や課題曲の選定などは補助的な役割にとどまるなどとして、音楽教室が音楽著作物の利用主体だとするJASRACの主張を否定した。

 判決を受け音楽教室側で組織する「音楽教育を守る会」の大池真人会長(ヤマハ音楽振興会常務理事)は会見で「全て勝ち取ったわけではなく100点満点ではないが、(レッスンにおいては)生徒の演奏がメインであり、主な論点は勝ち取ったし、争った意味があった」と評価した。JASRACの伊沢一雅理事長は会見で「生徒の演奏についてJASRACの主張が認められず誠に残念」としたうえで「(教師の演奏について)音楽教室の演奏に演奏権が及ぶと判断された以上、必要な話し合いを進めていきたい」とコメントした。