米GlobalFoundries(グローバルファウンドリーズ)は、同社のバーモント州エセックスジャンクション工場(Fab 9)における次世代GaN(窒化ガリウム)半導体の開発と製造に向けて、米国連邦資金から3000万米ドル(約44億円)が提供されることが決まったと、2022年10月17日(現地時間)に発表した ニュースリリース 。同工場におけるGaN半導体の研究開発には、2020年と2021年に合計1000万米ドル(約14億円)の連邦資金が提供されてきた。今回、いよいよ製造に向けた資金提供となった。
GlobalFoundriesは受け取った3000万米ドルを使って装置などを購入し、200mmのSiウエハー上にGaN半導体を製造するラインを新設する。米IBMのMicroelectronics部門から買収したエセックスジャンクション工場では200mmウエハーの拡散処理ラインが稼働中であり、同工場の敷地内にGaN半導体を製造するラインを新設するものと思われる。
エセックスジャンクション工場では現在、約2000人の従業員が勤務しており、ウエハー処理能力は年間60万枚以上とされる。同工場は「Trusted Foundry」の認証を取得しており、米国防総省(DoD:Department of Defense)と手を組んでセキュアーチップを製造している。このチップは米国で最も機密性の高い航空宇宙および防衛システムで使われているという。DoDの研究所「DMEA:Defense Microelectronic Activity」のDirectorであるNicholas Martin氏によれば、今回の資金提供は、米国がGaNのような先進的なマイクロエレクトロニクス技術に継続的にアクセスするための、DoDの取り組みの1つだという。