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 日本政府は次世代パワー半導体材料の輸出規制などを含む「輸出貿易管理令」の改正を2022年10月3日に閣議決定し、同年12月6日に施行する。これまで炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化アルミニウム(AlN)が輸出規制対象だったが、新たに酸化ガリウム(Ga2O3)、ダイヤモンドが加わる。

 輸出貿易管理令は、軍事技術の他国における過剰な蓄積を防ぐために輸出管理を行う政令である。これに先立つ2021年の国際輸出管理レジーム会合において、これらのパワー半導体材料が選定されたことから、今回の改正に盛り込んだ格好だ。米国では2022年8月12日に似た規制が策定されている。米中の対立関係が背景にあるとみられる。

 上記のパワー半導体材料は、耐圧や高周波にたけているため、例えば軍事用の高出力レーダーなどに利用できる可能性がある。SiCやGaNは既に量産が進んでいるため以前から対象だったが、より高性能なGa2O3やダイヤモンドも近年実用化の動きがあり、新たに追加したもようだ。

 施行されると、日本国内のGa2O3やダイヤモンドのメーカーは海外に基板やインゴットを輸出しにくくなる。いずれの材料も日本が研究開発をリードしており、イノベーションの鈍化にもつながりかねない。規制対象となるのは基板やインゴットで、デバイスには影響しないとみられる。