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 英Jaguar Land Rover(ジャガー・ランドローバー、JLR)は2022年10月31日、次世代電気自動車(EV)向けにSiC(シリコンカーバイド)半導体を調達するため、米Wolfspeedと戦略的提携を結んだと発表した。

 JLRは、電動化戦略「Reimagine」の下、2039 年までにサプライ チェーン、製品、サービス、および業務全体でカーボンニュートラルを達成することを目指している。そのためにジャガーはEV専用ブランドになり、ランドローバーも5年で6車種のEVを投入する計画を進めている。その中核技術として、次世代EVにSiC半導体を採用することで、エネルギー効率の向上を図る。

SiC原材料
SiC原材料
(写真:Jaguar Land Rover)
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 今回の提携は、EVレース「Formula E」に参戦する「Jaguar TCS Racing」チームとWolfspeedのこれまでの協力関係に基づいて構築された。同チームはレースにおいて効率と性能の向上のためWolfspeedのSiC半導体を使っている。

 インバーターにSiC半導体を使うことで、電池からモーターへの電力転送を効率化し、電力損失を大幅に削減できる。これにより電費を改善して航続距離を延ばせるほか、インバーターを小型化できる。この技術を採用する最初のモデルは「Range Rover」で、2024年から利用可能となる。また2025年にはジャガーブランドの新しいEVにも採用する。

JLRで開発中のEVプラットフォーム
JLRで開発中のEVプラットフォーム
(写真:Jaguar Land Rover)
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 今回の提携によりJLRは、Wolfspeedの供給保証プログラムに参加し、EV生産量に合わせてSiC半導体を確保する。Wolfspeedが供給するSiC半導体は、ニューヨーク州マーシーにあるモホークバレー工場で製造する。この工場は2022年4月に開所した新施設で、200mmのSiC基板を製造する設備を備え、完全に自動化されているという。新施設によりWolfspeedのSiC生産能力が大幅に拡大したことから、世界中のEV生産やその他の先進技術部門に対する需要の増加に対応できるとする。