Zホールディングス(HD)は2022年11月2日、2022年度中の開業を目指すLINE銀行について、開業を延期する可能性があるとの見通しを示した。同日開催の2023年3月期第2四半期(2022年7~9月期)決算説明会で、出沢剛Co-CEO(共同最高経営責任者)が明らかにした。
出沢氏はLINE銀行のシステム開発や情報管理体制の整備などについて「安心・安全なサービスを提供すべく詰めの作業を実施している」と説明。2022年度中としている開業スケジュールについて、「準備をしっかりするということで、開業スケジュールの見直しも検討しているところだ。決定した事実はないので、公表している内容に変更が生じたら改めてお知らせする」と述べた。
同日発表した2022年7~9月期連結決算(国際会計基準)は、売上収益が前年同期比4.4%増の3943億円、調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)が同20.0%減の806億円だった。LINEアカウント広告の売上収益が同17.8%増、ヤフーの検索広告が同6.3%増などと全てのセグメントで増収を達成し、全社では第2四半期として過去最高の売上収益を達成した。
2023年3月期通期の連結業績については、売上収益が前期比10%増の1兆7240億円、調整後EBITDAが同0.0~2.6%増の3315億~3400億円と、いずれも従来予想を据え置いた。スマートフォン決済会社のPayPayを連結子会社にして全社としては増収となるが、メディア事業の減収見通しを織り込んだ。