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 米General Motors(GM)は2022年11月2日、電池メーカーの米Microvast(マイクロバスト)と協力し、電気自動車(EV)用電池の高性能セパレーターを開発したと発表した。両社はこの技術を使った新しいセパレーター工場を、米国内に建設するという。

Microvast社の研究施設
Microvast社の研究施設
(写真:Microvast)
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 セパレーターは正極と負極を分離してイオンの移動だけを可能にする高分子膜で、電池の性能や安全性を左右する重要な部品である。Microvastは熱安定性が高く安全性に優れたポリアミド(ナイロン)のフィルム製造技術を保有しており、これを利用したポリアミドセパレーターを開発した。現在広く使われているポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)のセパレーターは、それぞれ耐熱温度が135℃と165℃だが、ポリアミドセパレーターは300℃を超える高温にも耐えられるという。

 GMはMicrovastに最先端のセパレーター技術およびコーティング技術を提供した。開発中のセパレーターは、グラファイト、シリコン、リチウム金属などの負極のほか、ニッケルリッチ、コバルトフリー、リン酸鉄リチウム、高電圧正極など、ほぼすべてのタイプのリチウムイオン2次電池に使用できるという。

DOEの助成金で工場建設

 両社は共同で、バイデン大統領の「超党派インフラストラクチャー法」に基づくプロジェクトの第一弾として、米国エネルギー省(DOE)から2億ドルの助成金を受けることが決定した。プロジェクトには200社以上が応募し、20社が選定され、合計28億ドルの助成金を受ける。Microvastは今回の助成金をセパレーター製造施設の建設に充てるとする。

 また、今回DOEのコンソーシアム「Battery500」のメンバーにGMが選ばれた。このコンソーシアムは、パシフィックノースウェスト国立研究所を中心に産官学の電池専門家が集まり、信頼性が高く、安価で、航続距離が長く、高性能なEV用電池の開発に取り組んでいる。GMは、同コンソーシアムに選ばれた唯一の自動車メーカーであり、他のメンバーと協力して高性能なリチウム金属電池の開発を進めている。