NTNは可搬質量5kg以下のピッキングロボット向けに「ロータリアクチュエータ式ハンド」を開発した。スカラロボット(水平多関節ロボット)の先端に装着して使うハンド機構で、さまざまな姿勢のワークを複数の方向や角度からピッキングできる。小型なのでロボットの先端部の重量や慣性が小さく、高速搬送が可能になるという。
一般的にスカラロボットによるピッキングはワークの上方向からに限定され、横方向や斜め方向からピッキングするには工夫が必要となる。新開発のハンド機構は、空気圧で動作する回転機構を備えており、ロボットの先端でワークをつかむ「ツメ」を回転させられる。ワークの姿勢に合わせて、横方向からや斜め方向からでもつかめるようにした。
同社によると、従来はピッキング可能な姿勢のワークが流れてくるまで、スカラロボットを待機させることがあった。新製品は、そうしたワークの取り逃がしを減らせるため、生産性を高められる。加えて、ピッキング後のワークの姿勢を0~100°の範囲で任意の2点の角度に変更できる。搬送中にワークの姿勢を変更できるので、別途、姿勢変更のための機構や工程が要らなくなる。