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 米Qualcomm(クアルコム)は2022年11月9日(現地時間)、メタバースに向けて進化を続ける5G(第5世代移動通信システム)についての解説を公開した。メタバースを、物理世界・デジタル世界・仮想世界にまたがる、パーソナライズされた空間インターネットと定義。5GでXR機能を強化することが、メタバースのより没入的な体験実現につながるとしている。

(出所:Qualcomm)
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 Qualcommは、モバイル業界で最大級のイベント「MWC 2021」にて、Snapdragon XR2プラットフォームと5Gモデムを使用したマルチユーザー5G VR(仮想現実)システムのデモを実施。5Gを介したVRやMR(複合現実)が、ビジネス、産業、消費者向けプライベートネットワークで利用できることを紹介した。

 今年の「MWC 2022」では、Wi-Fiを利用したAR(拡張現実)メガネと5G端末を組み合わせたデモを実演。ARグラスからWi-Fiや5Gを介して送られた信号が、再びARグラスに戻ってくるまでの時間、M2R2P(Motion-to-Render-to-Photon Latency)を平均で28%以上、最大38%以上短縮している。

 MWC 2022ではこのほか、動画ビットレートの高速化、動画品質の向上、無線環境の変化によるスタッター(画面の乱れ)の削減も実現。これらは、パケットの優先順位付け、ビーム管理の改善、5Gプロトコルスタック全体での動的パケット処理、ネットワークの状態をリアルタイムでアプリケーションに通知する機能などに対応する5GモデムAPIを活用することで実現している。

5GモデムAPIにより動画品質やユーザー体験を改善
5GモデムAPIにより動画品質やユーザー体験を改善
(出所:Qualcomm)
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 XR体験強化に向けた5Gの進化もめざましい。3GPPのリリース15では低電力モードのBWP(Bandwidth Part)を導入。リリース16では、クロススロットスケジューリング、アップリンクへのリソース割当許可、スロットアグリゲーション、アップリンクのスキップなどの機能を追加している。リリース17では、スリープモードへの迅速な移行や、機能を縮小した規格(RedCap、NR-Light)を活用することで、低電力なARグラスを実現できるようになる。

より低遅延で低消費電力なXRデバイスを提供可能にする3GPP 5G標準機能強化
より低遅延で低消費電力なXRデバイスを提供可能にする3GPP 5G標準機能強化
(出所:Qualcomm)
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 5G-Advancedとなるリリース18では、60Hz、90Hz、120Hzといったマルチメディア側のタイミングに合わせた伝送、アプリケーションサーバーからgNodeBへの信号到着のタイミング操作、マルチメディア仕様に合わせたサービス品質定義による効率的な通信、低遅延アップリンク送信後のスリープモードへの移行、低遅延モビリティーなどを用意。さらなる低遅延、低消費電力、大容量なXRを実現することができるようになる。

リリース18ではXR体験強化に向けた複数の機能が提案されている
リリース18ではXR体験強化に向けた複数の機能が提案されている
(出所:Qualcomm)
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 6Gでは、物理世界、デジタル世界、仮想世界の融合がさらに加速する。XRでの没入体験は、ユビキタスで低電力な通信とセンシングを介して、新たなレベルに引き上げられる。6G XRでは、デジタルツインと空間コンピューティングを活用。デジタルツインで、メタバースに向けた物理システムの動作監視、シミュレーション、分析、最適化、予測が可能になる。空間コンピューティングでは、6DoF(Degree of Freedom)対応のVRにより、頭、手、視線の追跡などの知覚があらゆる環境で使えるようになる。

6G XRではデジタルツインと空間コンピューティングを活用する
6G XRではデジタルツインと空間コンピューティングを活用する
(出所:Qualcomm)
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 6Gでは、知覚、マルチメディア、無線の相乗活用も期待できる。Qualcommでは、6DoFや深度マップなどの知覚入力を使用して無線を反射するものと遮断するものをマッピングし、ミリ波のビーム形成精度を大幅に向上させる実証実験も行っている。