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 島津製作所は、赤外分光法とラマン分光法の2つの化学分析手法を1台で測定できる顕微鏡(以下、赤外ラマン顕微鏡)「AIRsight(エアサイト)」を開発した()。普及機として、これら2つの分析機能を1台に備えた装置は「世界唯一」(同社)。1台で分析できる対象物質の幅を広げた。微小異物の解析、マイクロプラスチックの分析といった用途を想定しており、分析業務の効率化や省スペース化を訴求する。

図 赤外ラマン顕微鏡「AIRsight」
図 赤外ラマン顕微鏡「AIRsight」
AIRsight(右)とフーリエ変換赤外分光光度計「IRXross」(左)(出所:島津製作所)
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 赤外分光法とラマン分光法はいずれも、物質の化学結合の情報を取得して同定や結晶構造の解析などを行う分析手法。前者は測定対象に照射した赤外線の吸収によって物質を特定するもので、データベースが多く、測定時のサンプル損傷のリスクが無いなどの長所がある。一方、後者は特定のレーザー光を照射して散乱光を測定する。水溶液中の物質や無機物の測定に向いており、それぞれ検出しやすい化学結合の種類が異なる。AIRsightは、両分光法の分析装置にそれぞれ光学顕微鏡を組み合わせた「赤外顕微鏡」と「ラマン顕微鏡」の2つの機能を搭載しており、こうした互いの特徴を兼ね備える()。

表 赤外顕微鏡とラマン顕微鏡の比較
表 赤外顕微鏡とラマン顕微鏡の比較
(出所:島津製作所の資料を基に日経クロステックが作成)
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 新しい分析装置は2022年11月16日に発売した。価格は2650万円(税別)から。ただし、AIRsightの使用には別途フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)への接続が必要となる。同社のFT-IR「IRXross」とのセット価格は3200万円(同)から。同セットでグローバルで年間100台の販売と売上高20億円を目指す。