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 ドイツの大手自動車部品メーカーZFは2022年11月22日、乗用車および小型商用車向けの新しい電気駆動システム(eアクスル)の新製品「e-drive」を発表した。モーター、インバーター、減速機、ソフトウエアを備えたモジュール式の電気駆動システムで、駆動部品のコンパクト設計、パワーエレクトロニクスの効率化、省資源型の材料使用などにより、出力密度とエネルギー効率を高めたという。2025年から完全なシステムとして市場に投入する予定だが、個々の部品はそれ以前に量産化する。

「e-drive」はモーター、インバーター、減速機、制御用ソフトウエアで構成
「e-drive」はモーター、インバーター、減速機、制御用ソフトウエアで構成
(出所:ZF)
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 パワーエレクトロニクスには、独自のディスクリート・パッケージ技術を採用し、高い次元で性能と適応性のバランスをとったという。インバーターは、チップレベルでの個別化が可能で、複雑なパワーモジュールを使用した場合より拡張性が優れるという。さらに、従来のパワーモジュールより必要な部品の種類が少なくなったとする。

 乗用車および小型商用車向けに開発された同社のパワーエレクトロニクス製品の中で、高電圧コンバーターは、効率が99.6%とトップクラスの値になっている。このDC/DCコンバーターは、燃料電池を利用した電動車を開発する場合、重要な役割を担う。燃料電池の低い出力電圧と高負荷時の強い電圧降下を補うことができる。

ディスクリート・パッケージ技術を採用したDC/DCコンバーター
ディスクリート・パッケージ技術を採用したDC/DCコンバーター
(出所:ZF)
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 モーターは、新しい冷却コンセプトと巻き線技術を採用し、出力密度を高めた。新しい冷却方式により、運転中に最も熱が発生する銅製ロッドの周囲に直接オイルを流すことができるようになった。冷却効率を高めたことで、従来のモーターと同じ重さと設置スペースで性能を向上できた。また、レアアースの使用量も大幅に削減した。さらに、同社が開発した編み込み巻き線技術は、従来のヘアピン巻き線を進化させたもので、巻き線ヘッドだけでも大きさが半分に小さくなり、最終的にモーターの設置スペースを10%削減したという。

新しい巻き線方式でモーターの設置スペースを削減
新しい巻き線方式でモーターの設置スペースを削減
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 2つの遊星歯車を統合した新しい同軸減速機は、さまざまなアクスル比を生み出すだけでなく、完全に統合されたデファレンシャル機能も備える。一般的なオフセットコンセプトの製品と比べて、騒音や振動を抑えながら効率を改善し、重量と設置スペースを削減できたとする。