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 大同特殊鋼と東洋紡は、電磁波吸収体用の射出成形樹脂ペレットを共同開発した。5G(第5世代移動通信システム)やミリ波レーダーなど、ギガヘルツ(GHz)帯の周波数を使う高度センシング・高速通信機器におけるノイズ対策用を想定している。2023年1月ごろからサンプル提供を開始する。

電磁波吸収体用の射出成形ペレット
電磁波吸収体用の射出成形ペレット
(出所:大同特殊鋼・東洋紡)
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 東洋紡の射出成形用樹脂製品の技術と、大同特殊鋼が開発した電磁波吸収フィラーを組み合わせた。従来、ミリ波レーダーなどで使用されている一般的な電磁波吸収シートに比べて、ノイズの発生源近傍での電磁波吸収性に優れるという。射出成形品の厚みや電磁波吸収フィラーの含有率を変えれば、用途に合わせてノイズ吸収の性能を調整できる。

開発品の電磁波吸収特性例
開発品の電磁波吸収特性例
(出所:大同特殊鋼・東洋紡)
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 5Gやミリ波レーダーでは、外来ノイズやカップリングによるノイズ、反射などに起因して通信速度・精度の低下、誤作動が生じる場合がある。そうした問題を防ぐため一般には、アルミニウム合金などの金属筐体(きょうたい)で外来ノイズを遮蔽したり、電磁波吸収シートでカップリングノイズを吸収したりといった対策がとられる。しかし、部品点数が増えるために、基板の組立工数やコストがかさむ、質量が増す、レイアウトに制約が生じるなどの点が課題となっていた。

 開発品は、一般的な射出成形樹脂と同様にインサート成形や2色成形によって電磁波吸収シートを筐体と一体で成形可能。このため部品の軽量化や組立工数の削減が期待できる。なお、両社は本開発品を「第9回 メタル ジャパン(高機能 金属展)」(2022年12月7~9日、幕張メッセ)の大同特殊鋼ブースに出展する。