NTTテクノクロス(東京・港)は、食品製造現場で起こり得る人身事故をVR(仮想現実)で体験する安全教育コンテンツを開発した。同社の「NTT XR安全教育 powered by VR安全意識向上サービス」(以下、VR安全意識向上サービス)のラインアップに追加し、2022年12月1日から提供を開始した。作業者は、食品製造現場で特に多い事故を疑似体験することで、安全への意識を高めながらルールを身に付けられる。

図 疑似体験コンテンツの画面イメージ
図 疑似体験コンテンツの画面イメージ
食品製造機械への巻き込まれ事故(出所:NTTテクノクロス)
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* NTTテクノクロスのニュースリリース: https://www.ntt-tx.co.jp/whatsnew/2022/221130.html

 厚生労働省の『労働災害統計(令和3年)』によると、2021年度の死傷災害発生件数14万9918件のうち2万8605件が製造業で起きている。中でも食品製造業が8890件と最多で、うち転倒事故が2418件、はさまれ・巻き込まれ事故が1548件発生していた。そこで食品製造現場向けコンテンツでは、床が滑りやすい現場で移動する際に起きやすい転倒と、食品製造機械への巻き込まれ事故を再現した。実際の事故事例を基にシナリオを制作し、食品メーカーの評価を反映しながら起こり得る事故場面に近づけたという。

 VR安全意識向上サービスは、VR機器やVRコンテンツ、研修運営のためのマニュアルなどをセットで提供する安全教育・研修サービス。NTTグループ各社から集めた重大事故などの知見を基に、コンテンツを制作した。VRによる体験は、DVDや安全マニュアルを用いた研修に比べて直感的・主体的に学べるため、理解と記憶の定着がスムーズだとする。

 作業事故を疑似体験して正しい手順を学ぶ「危険体験コンテンツ」と、作業現場に潜む危険やそれが引き起こす事故・問題を洗い出して対策を考える「危険予知コンテンツ」の2種類のメニューがある。前者には、引き込み線の撤去作業や架上ラック作業、所内脚立作業など26コンテンツを、後者には、クレーン荷上げ作業や所内作業、開口部作業など14のコンテンツを用意している。今回、食品製造会社の監修の下、転倒・巻き込まれ事故の防止を目的としたコンテンツを新たに追加した。

 VR安全意識向上サービスの年間利用料金は、危険体験コンテンツと危険予知コンテンツ共にそれぞれ96万円/1ライセンス。それぞれ、全コンテンツをダウンロードして使える。