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 川崎重工業は、発電用水素焚き2元燃料(Dual Fuel:DF)エンジンと関連システムについて、日本海事協会から基本設計承認(Approval in Principle:AiP)を取得したと発表した。水素燃料使用時の定格発電出力が2400kWe、シリンダー径が300mmのエンジンで、2020年代半ばの実用化を計画している大型液化水素運搬船に搭載し、実証に取り組む。

図1 水素焚きDFエンジンのイメージ
図1 水素焚きDFエンジンのイメージ
(出所:川崎重工業)
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図2 16万m3型の液化水素運搬船の完成イメージ
図2 16万m3型の液化水素運搬船の完成イメージ
(出所:川崎重工業)
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* 川崎重工業のニュースリリース: https://www.khi.co.jp/pressrelease/detail/20221130_2.html

 水素焚きDFエンジンは、水素と低硫黄燃料油を切り替えて使えるエンジン。AiPを取得したエンジンは、水素燃料を使用した場合、本船の液化水素用タンクから発生したボイルオフガスを主燃料として、95%(カロリー比)以上の比率で混合した上で発電し、船内に電力を供給する。船舶から排出される温暖化ガスを大幅に減らせるという。

* ボイルオフガス 外部からの自然入熱などにより気化するガス。

 開発に当たって同社は、天然ガスに比べて燃焼速度が速く逆火しやすい、燃焼温度が高いといった水素の特性に合わせた燃焼技術を実現。これにより、異常燃焼や燃焼室部品の過熱などの技術課題を解決した。単筒試験機による実証試験を実施し、安定した水素燃焼が可能なことを確認している。

 同社は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業「次世代船舶の開発/水素燃料船の開発/舶用水素エンジンおよびMHFSの開発」の一環として同エンジンの開発を進めている。AiPは、設計初期の段階または特定の実装対象船舶が決まる前の段階で審査を実施し、発行される認証。国際条約や船級規則など既存の規則に基づいて設計を審査し、要件への適合を証明する。

* 2021年10月26日付、川崎重工業、ヤンマーパワーテクノロジー、ジャパンエンジンコーポレーションのニュースリリース: https://www.khi.co.jp/pressrelease/news_211026-2_2.pdf