ドイツContinental(コンチネンタル)は、同社が開発する次世代の先進運転支援システム(ADAS)に米Ambarella(アンバレラ)の車載SoC(System on Chip)「CV3」を採用した。同SoCは5nm世代の半導体プロセス技術を使い、1W当たりのAI(人工知能)処理性能を同社の従来品に比べ40倍以上に高められる。コンチネンタルは自動車メーカーに対し、消費電力やコストの低減を訴求する。

アンバレラのドメインコントローラー用SoC「CV3」
アンバレラのドメインコントローラー用SoC「CV3」
5nm世代の半導体プロセス技術で製造する。(写真:アンバレラ)
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 5nm世代のプロセスの採用によって「自動車業界で最高水準」(アンバレラ)のAI処理性能を達成できるという。これにより、車載カメラやミリ波レーダー、超音波センサー、LiDAR(レーザーレーダー)といったさまざまなセンサーで認識した情報を1チップで処理でき、システムコストの削減や消費電力の低減につながるという。

CV3の搭載イメージ
CV3の搭載イメージ
ADAS用のドメインコントローラーにCV3を搭載する。(画像:コンチネンタル)
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 コンチネンタルは、同SoCを採用することで「車両周辺の状況を認識するために増大するセンサーからのデータ量に対応できる」〔同社Autonomous Mobility Business Area責任者のFrank Petznick(フランク・ペッツニック)氏〕としている。次世代の自動車では、ADAS/自動運転技術の進展で車両が搭載するセンサーの種類や数が増え、これに伴い収集する情報量も増加することが見込まれる。

 コンチネンタルは2023年1月に米ラスベガスで開催されるテクノロジー見本市「CES 2023」で、同SoCを使ったADASを初公開する。