トヨタ自動車は2022年12月14日、タイの財閥Charoen Pokphand Group(チャルーン・ポーカパン・グループ=CPグループ)とカーボンニュートラルの実現を目指して、各種の協業を検討すると発表した。具体的には、水素エネルギーを「つくる」「はこぶ」「つかう」の3領域で協業して社会実装し、CO2削減を進めていくという。
具体的には、「つくる」では家畜の糞尿から生じるバイオガスを活用して水素を製造する。これは経済特区での実施を検討している。「はこぶ」では、製造した水素を活用するため、配送トラックを燃料電池車(FCV)化する。走行距離や積載量などに応じて、電気自動車(EV)やFCVなど様々なソリューションを提供する。「つかう」では、コネクティッド機能を活用して最適配送ルートを提案するなど物流を効率化する。
CPグループは小売り、流通、工業、農畜産業など様々な事業を展開している。今回の協業検討にはCPの交通サービス事業を手掛けるTrue Leasing(トゥルーリーシング)社も参画する。また、トヨタやいすゞ自動車、スズキ、ダイハツが出資して設立した企業であるCommercial Japan Partnership Technologies(CJPT)のアジアでの取り組みに、日野自動車が参画することも表明された。CJPTはCASEを普及させ、カーボンニュートラルの実現を目指している。
なお、トヨタのタイでの生産販売会社であるToyota Motor Thailand(トヨタ・モーター・タイランド)は、今年で設立60周年を迎えた。同社はこれまで、アジア通貨危機や大洪水などを乗り越え、車両の生産や販売だけでなく雇用や技術移転などを通じてタイ社会の発展に貢献してきたという。CPの上級会長であるDhanin Chearavanont氏は、「両社のトップに共通しているのは、タイという国への愛情や感謝と、タイに恩返ししたいという強い想い」だとする。カーボンニュートラルは全産業・全国民が一体となって取り組むべきものであるとし、想いを共有する仲間と広く協力したいと述べた。