ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)が混乱している。今後の事業の柱と位置付ける電気自動車(EV)とソフトウエアの開発が遅れているのだ。2022年12月16日に開いた臨時株主総会で状況を明かした。

 「軌道修正と意思決定を迅速に実行する」。こう説明したのは、VWのCEO(最高経営責任者)に同年9月に就任したばかりのOliver Blume(オリバー・ブルーメ)氏である。同氏は総会で「今後数カ月間で解決していくべき10の課題」を挙げ、そのうちのEVとソフトは陣頭指揮を執ってテコ入れする方針を示した。

VW CEOのオリバー・ブルーメ氏
VW CEOのオリバー・ブルーメ氏
2022年12月16日に開いた臨時株主総会で、「今後数カ月間で解決していくべき10の課題」を示した。(写真:VW)
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 EVに関しては、次世代のEV専用プラットフォーム「SSP(Scalable Systems Platform)」に遅れが出ている。同社はSSPを2026年に導入する計画だったが、「2020年代末までに」(同氏)と先送りを明言した。

 ソフトに関しては、VWグループの自動車用ソフト会社であるドイツCARIAD(カリアド)が混乱の中心である。ブルーメ氏はソフト開発の体制変更を「最も緊急な課題の1つ」と表現した。内製化を志向してきたが、「パートナーシップの見直しを検討していく」(同氏)という。新CEOの手腕が問われている。