NTT東日本はティアフォーやKDDI、成田国際空港と合同で、ローカル5Gなどの技術を使った複数車両による遠隔型自動運転の実証実験を2022年12月15日に開始した。成田国際空港第1~第3旅客ターミナル間で実施している。人手不足やヒューマンエラーに起因する車両事故リスクの軽減を目的とする。

 特定の条件下で運転を完全に自動化する自動運転の「レベル4」相当の導入に向けたもの。実験項目は3つある。(1)見通しの悪いカーブを含む第1~第3旅客ターミナル間での遠隔型自動運転バスの運行実験(総延長約5km)、(2)最大3台の複数台同時運行に向けた遠隔監視・映像配信実験(総延長約1.4km)、(3)遠隔監視映像配信用として利用するキャリア通信とローカル5Gの切り替えによる運行ルートの代替設定実験(総延長約6km)である。

 (2)の実験項目は2つに分かれる。1つは、自動運転バス2台の運行に必要な映像(カメラ14台分)を1人が遠隔監視する自動運転実験。もう1つは、高負荷時における通信の安定性を確認するため、3台の車両(自動運転2台と手動運転1台)から配信される映像(カメラ20台分)を1人が遠隔監視する実験である。

遠隔監視室の様子
遠隔監視室の様子
(出所:NTT東日本)
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 実証実験の期間は2023年2月28日まで。実験で得られた結果から課題を抽出し、空港制限区域内での旅客ターミナル間連絡バスの遠隔型自動運転を2025年をめどに実装することを目指す。