ヘルスケア関連のスタートアップ3社が、自宅で採取した微量な血液から女性ホルモン検査を実施するサービスの共同開発を開始した。医療機関では通常、1回当たり5~10ミリリットル(mL)ほどを採血するが、今回は指先から採取する0.05mL程度の微量な血液を利用する。在宅で気軽に検査を受けてもらい、更年期障害の早期発見を目指す。
婦人科領域のオンライン診療サービスの開発などを手掛けるルナドクター(東京・新宿)と、在宅での微量血液検査サービスを開発しているユニバーサル・バイオサンプリング(東京・新宿)、理化学研究所で開発された診断技術や測定技術の実用化を目指すアール・ナノバイオ(埼玉県和光市)の3社が共同で開発する。
サービスにはユニバーサル・バイオサンプリングが開発した微量血液検体管理システム「UBiSS(Universal Bio-Information Sampling System)」を使う。同システムの検体採取キットでは、指先から採取した微量の血液検体を乾燥させることで、固相化する。このため、常温での輸送が可能になり、検査ラボへの運搬や保存にかかるコストを減らせるという。
検体の管理にはキットに印字されたQRコードを利用し、検体採取や輸送、検体の前処理、分析、結果通知、保管の全工程をデジタル化する。キットが検査ラボに到着した後は、自動パンチングマシンでキットから検体だけを切り出し、その後検査を実施する体制とする。