
古河電気工業は、英Tokamak Energy(トカマクエナジー)の核融合炉に向けて高温超電導(HTS)線材を供給する。このほど供給契約を交わした。古河電工と同社グループの米SuperPower(スーパーパワー、SPI)は今後数年にわたってトカマクエナジーにHTS線材を供給する。
ニュースリリーストカマクエナジーは、「球状トカマク型」と呼ばれるタイプの核融合炉「ST80-HTS」のパイロットプラントを建設する。そこで用いるHTS磁石の材料として、古河電工グループのHTS線材を使う。SPIはすでに米国ニューヨーク州の工場でHTS線材の製造を開始し、最初の製造分を納入した。将来の量産に向けた設備の拡張も検討している。
HTS磁石は、セ氏1億度以上の超高温に達する核融合燃料を閉じ込めて燃焼させるのに必要な部材。トカマクエナジーはHTS磁石の設計に、古河電工グループはHTS線材の開発・製造に強みを持つ。トカマクエナジーは、2030年前半をめどにパイロットプラントから200MWの正味電力を供給する計画である。