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 KELK(神奈川県平塚市)は、熱電発電モジュール「KELGEN(ケルジェン)」を搭載し、工場の排熱を有効に活用できる新製品2種を発売した(図12)。1つ目は、熱電変換によって電力を得る排熱回収ユニット「KELGEN G-Unit KSGU250」。熱処理炉などの局所的な排熱を活用する。2つ目は温度差を利用して自己発電する振動センサーデバイス「同SD KSGD-SV8」で、モーターやポンプの故障予兆検知などでの利用を想定している。

図1 排熱回収ユニット「KELGEN G-Unit KSGU250」
図1 排熱回収ユニット「KELGEN G-Unit KSGU250」
(出所:KELK)
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図2 振動センサー「KELGEN SD KSGD-SV8」
図2 振動センサー「KELGEN SD KSGD-SV8」
(出所:KELK)
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* KELKのニュースリリース: https://www.komatsu.jp/ja/newsroom/2023/20230117

 G-Unit KSGU250は、熱処理炉や鍛造・鋳造工程などの局所的な未利用熱を回収し、熱電変換する。常用発電出力は250W(受熱板温度250℃時)で、最大発電出力は300W(同280℃時)。熱間鍛造後の部品の放射熱を電力に変換する、といった使い方が可能だ。外形寸法は291×291×66mmと小型で、熱源のそばに設置しやすい。

 新開発の防水構造によって水分への耐性を高めた。設置場所として想定される環境ではユニット冷却部に結露が発生しやすく、従来、高温下での耐久性と防水性を両立するのが難しかったという。

 一方のSD KSGD-SV8は、振動センサーとしてモーターなどの回転機器に使用する。排熱によって上昇した回転機器表面の温度と外気の温度差から発電して動作し、40分間の蓄電ごとに1回(温度差5℃時)の頻度で振動を測定する。発電できる最小の温度差を、従来製品の10℃から5℃に縮小。温度と振動加速度に加えて、速度RMS値(実効値)の測定も可能になった。外形寸法は63×45×25mm。

 SD KSGD-SV8の発売に併せて、設備の状況を可視化するソフト「SDM-Plus」の提供も開始した。汎用パソコンで1分間に1000万件以上の統計量演算と条件判定を実行できるという。工場内の設備用モニタリングシステムの導入コストと運用コストを削減し、設備保全のCBM(Condition Based Maintenance)への移行を図れるとしている。

 同社はG-Unit KSGU250とSD KSGD-SV8を「ENEX2023 第47回地球環境とエネルギーの調和展」(2023年2月1~3日、東京ビッグサイト)に出展する。