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 KDDIと韓国Samsung Electronics(サムスン電子)は2023年1月20日、商用5G SAネットワークでのSLA(Service Level Agreement)保証型ネットワークスライシングのフィールド実験を行ったと発表した。各種アプリケーションが必要とする通信品質を保証するネットワークスライスを複数生成できることを確認した。商用環境で業界初の事例になるとしている。

関連ニュースリリース1: 世界初、RICを活用した5G SAのSLA保証型スライシング実証に成功 関連ニュースリリース2: Samsung and KDDI Successfully Complete SLA Assurance Network Slicing Field Trial on a Live 5G Standalone Network
(出所:KDDI)
(出所:KDDI)
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  O-RAN Allianceが規定するRAN Intelligent Controller(RIC)を活用し、RICからの指令に基づいて、通信環境の変化に応じて必要なリソースをリアルタイムに提供し、SLAを保証する通信品質を実現する。RIC はSamsungが提供。RANの無線リソースを最適化し、ネットワーク全体の品質を向上するものとなっているという。

 実験では、低遅延、高スループットなど、各種アプリケーションの様々なSLA要件を保証するネットワークスライスを複数生成できることを確認。通信品質が変動する環境や通信要件が異なる複数のネットワークスライスでの、複数の端末を使った実用性確認も行っている。

 ネットワークスライシングにより、1つの物理ネットワークインフラ上に複数の仮想ネットワークを構築し、それぞれのスライスで独自のアプリケーションやサービスを提供することができるようになる。例えば、1つのネットワークを自動運転車用の低遅延のスライスや映像伝送用、エンターテインメント用の高帯域幅のスライスなどに分けて同時に利用することなどが可能となる。

 KDDIでは、2024年度からのネットワークスライシングの本格提供を予定している。今後もさらなる技術革新や性能改善に向けて、Samsungをはじめとするパートナー各社との研究開発を進めるとしている。