デロイトトーマツコンサルティング(東京・千代田)などは、三重県伊賀市でドローン物流の実証実験を実施した。「買い物難民」問題の解決に向けて、ドローンを用いた輸送事業の実現可能性を検証した。今後は、実証で抽出された課題の解決や、ドローン物流の事業化を目指す。
ニュースリリース実証では、①買い物代行とドローンによる配送、②ドローンによる宅配輸送、の2つのサービスを地域住民に提供し、ドローンの飛行に関する課題を抽出した。①では、代行者が約3kgのお菓子セットをスーパーマーケットで購入し、隣接する公園から約9km離れたグラウンドにドローンで届けた。その結果、荷崩れなく約20分で配送できた。②では、約3kgの宅配荷物を三重西濃運輸(三重県鈴鹿市)の上野支店(伊賀市)から公園までトラックで輸送した後、ドローンに載せ替えてグラウンドに届けた。トラックとドローンの組み合わせによって到着までの時間を縮められるうえ、ドライバーの労働時間短縮や燃料消費量の削減も期待できる。
この実証は、三重県が2022年度に実施している「『空の移動革命』実現に向けた先進的ドローン物流調査事業」の一環。三重県とデロイトトーマツのほか、ドローンの運航でエアロネクスト(東京・渋谷)が、物流ユースケースの助言でセイノーホールディングスが、運航に関する法規制の助言で日本航空が参加した。そのほか、伊賀市と阿波地区市民センターが実証フィールドを提供し、スーパーのアニーズ三平(伊賀市)が商品を提供した。