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重機の遠隔操縦などによってコンクリート処理施設の生産性や安全性を高める(写真:NEC)
重機の遠隔操縦などによってコンクリート処理施設の生産性や安全性を高める(写真:NEC)
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 NECは廃棄物の中間処理などを手がける石坂産業(埼玉県三芳町)と、再資源化プラントのスマート化に向けてローカル5G(第5世代移動通信システム)とAI(人工知能)を活用する実証実験を実施した。作業エリアや重機のデータを収集・分析し、作業効率の向上や作業員の安全性向上につなげる。

ニュースリリース

 廃コンクリート処理プラント内にローカル5Gの仮想化無線ネットワークを構築した。作業エリアと重機に設置したカメラ・センサーからデータを収集し、重機の稼働状況やピットの状況、廃棄物の処理量などをリアルタイムで可視化するほか、作業状況を数値化した。これらの分析から、作業効率の改善に向けた施策を検討できた。実証実験には米Intel(インテル)も参加し、サーバー用の「Xeon」プロセッサーを提供したほか、ネットワーク構築やAI実装を支援した。

 AIによる映像解析を通して、作業員の危険区域への接近や重機との接触リスクを把握。併せて、重機の遠隔操縦環境を構築し、安全な作業環境を実現した。粉じんが多い現場でのローカル5Gの電波環境についてもデータを集め、利用エリアの拡大や新たな用途への適用に向けて知見を得た。

 NECと石坂産業は2020年7月に協業を開始し、レーザーセンサーを活用した荷台のセンシングや積み荷の高さ測定、映像による廃棄物費目の判別といった実証を重ねてきた。今後も実証を進め、プラントのスマート化を促進する。