KDDIは2023年1月26日、埼玉県秩父市でドローンによる食料品などの配送を開始した。2022年9月に発生した土砂崩落により、中津川エリアでは陸路での物流が寸断され、住民は物資の調達が困難な状況が続いている。同社は、住民への生活支援を目的に、秩父市、ゼンリン、KDDIスマートドローン、エアロネクスト、生活協同組合コープみらい、ちちぶ観光機構、ウエルシア薬局らとともに、ドローンを活用し物資を配達する。配達は週に1回で、2023年3月末まで実施する予定。
住民からは電話などで事前に注文を受け付け、市街地から中津川エリアに食料品・日用品などを届ける。配達の際は、トラックによる陸路での配達と上空を飛行するドローンを組み合わせる。まず、コープみらいやウエルシアなどの店舗から注文品を1か所に集め、崩落したトンネルの手前まで車で運ぶ。このトンネル上空でドローンを自律飛行させ、中津川エリアに注文品を運搬する。
KDDIは今回、ドローンを遠隔制御するに当たり、米Space Exploration Technologies(スペースX)の衛星通信サービス「Starlink」を活用している。同エリアはモバイル通信が不安定な環境であるため、Starlinkを活用したauのモバイル通信環境を確保した。機体には、ドローンメーカーのACSLとドローン技術を持つエアロネクストが共同開発した物流向けドローン「AirTruck」を利用している。