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 NECは2023年1月30日、2022年4~12月期の連結決算(国際会計基準)を発表した。売上高に相当する売上収益は前年同期比8.2%増の2兆2692億円、調整後営業利益は同9.8%増の834億円と、増収増益だった。

 セグメント別にみると、「エンタープライズ」と「社会基盤」が増収増益だった。エンタープライズは売上収益が同4.3%増の4315億円、調整後営業利益が同77億円増。社会基盤は売上収益が同8.5%増の4497億円、調整後営業利益が同73億円増の381億円だった。

 一方、増収減益だったのが「ネットワークサービス」だ。売上収益は同3.1%増の3610億円だったが、調整後営業損益は同164億円減で6億円の赤字となった。増収要因についてCFO(最高財務責任者)を務める藤川修執行役員常務は「複数年の知的財産の収益により100億円を計上した」と説明。赤字となった理由は「一過性費用の計上や戦略的費用の増加などにより大幅減益」としている。2023年3月期の業績予測については、売上収益、調整後営業利益ともに据え置いた。

 NECは同日、経営基盤改革に着手するとも発表した。2023年6月に開催する予定の株主総会で承認を得た後で、指名委員会等設置会社に移行する。取締役会の過半数を独立社外取締役とし、監督機能の強化と経営意思決定の迅速化を目指す。

NECの新組織体制図
NECの新組織体制図
(出所:NEC) 
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 2023年4月1日からは組織改革に取り組む。具体的には、現在の「デジタル・ガバメント事業」と「デジタル・ファイナンス事業」を統合して新たに「DGDFビジネスユニット」とする。

 さらに現在の「ネットワークサービスビジネスユニット」を「テレコムサービスビジネスユニット」と改称し、新たにグローバル5G(第5世代移動通信システム)事業を含む国内外の通信事業を統合する。官公庁向けと地方自治体向けのそれぞれで持っていたITサービス事業を一元化し「パブリックビジネスユニット」も新設する。

 一連の改革の背景について藤川執行役員常務は「中期経営計画を達成するため、これまでの2年間で準備し、3年目から体制を変更する」と説明した。体制変革を通じ、成長領域の強化を狙う考えだ。