日機装は、金属基板の広い面積を一括で圧着できるプレス装置「3Dプレス」を発売した(図1)。ゲル状の加圧媒体が基板上の凹凸に追従することにより、銅回路と樹脂シート、金属を均一に加圧する。電気自動車(EV)で使われる金属基板の製造に向く。
* 日機装のニュースリリース: https://www.nikkiso.co.jp/news/files/3f36e8d200de22e2732641218884f5c2.pdf3Dプレスでは、ゲル状の加圧媒体で基板・回路を包み込んで加熱・加圧する(図2)。一般的なメタルプレスでは加圧しにくかった凹部も加圧できる。ゲル状の加圧媒体は、接着層の樹脂の流れ出しを抑える役割も果たす(図3)。メタルプレスは上方向からのみ加圧するため、樹脂が押しつぶされて横方向へ流れ出すケースがあったという。さらに3Dプレスは、真空下・300℃までの環境での急昇温・冷却を実現している。
同社によると、EV向け金属基板には、大容量電流を流せる高い放熱性が求められており、銅回路を厚くして熱抵抗を低減する必要があるという。しかし、従来の工法では、銅回路を厚くするとエッチング時間が長くなるため、銅回路の厚肉化に限界があった。
それに対して3Dプレスは、厚さ2mmまでの銅回路を形成できる。熱抵抗が減って放熱性が高まり、EVで要求される大容量電流に対応できるとしている。