日立製作所は2023年2月1日、2022年4~12月期の連結決算(国際会計基準)を発表した。売上収益(売上高に相当)は前年同期比10.4%増の8兆1087億円、調整後EBITA(利払い・税引き・一部償却前利益)は同8.5%増の6242億円で増収増益だった。IoT(インターネット・オブ・シングズ)関連のLumada事業などが堅調に推移した。
IT関連のデジタルシステム&サービス部門の売上収益は、前年同期比12%増の1兆6780億円、調整後EBITAは同5%増の1883億円だった。交通・電力分野を中心に投資抑制や、一部プロジェクトでコスト増があったものの、Lumada事業や2021年7月に約1兆円で買収した米GlobalLogic(グローバルロジック)が堅調で収益を押し上げた。
2023年3月期の業績見通しについては、売上収益が前期比2.8%増の10兆5500億円、調整後EBITAが同2.5%増の8770億円とした。売上収益は2022年10月28日に公表した前回見通しから1500億円引き上げた一方、調整後EBITAは据え置いた。
ここにきて、国内でも物価高騰などを背景に、賃上げの議論が加速している。日立でCFO(最高財務責任者)を務める河村芳彦執行役副社長は賃上げの方向性について「基本的にはできる限りの対応をしていきたい」としたうえで、労働生産性の改善などを念頭に「中長期にわたってサステナブル(持続可能)な賃上げができるように考えている」と語った。