宮城県は2023年2月1日、同県が開設した結婚支援センター「みやマリ!」のマッチングサイトで、お見合い成立まで閲覧できないはずの相手の顔写真が、お見合い成立前に閲覧できる不具合が発生していたと発表した。同サイトではお見合いを申し込まれる側が、お見合い成立まで顔写真を非公開とするよう設定できるが、この機能がうまく働いていなかった。
お見合い成立まで顔写真を非公開に設定していたにもかかわらず、お見合いを申し込んだ側が相手の顔写真を見られた条件は次の通り。まずお見合いの申し込みに対し、非公開設定の申し込まれた側が拒否の回答をする。申し込んだ側は拒否の回答を受けた相手を含め、申し込んだ相手のIDの一覧を見られる。このIDをクリックしプロフィル画面に遷移すると、お見合い不成立の相手の顔写真も見ることができた。
同サイトでは、24時5分に日次のバッチ処理を実行する。申し込んだ側は拒否の回答を受けてから、当日のバッチ処理の間まで写真を閲覧できた。バッチ処理後は写真を含め、相手のプロフィル画面を閲覧できなくなる。
県は原因をマッチングシステムの開発元であるタメニーが、県に無断でシステム改修をしたこととしている。システムはタメニーが提供する地方自治体向け婚活支援システム「parms(パームス)」を基にしており、他県でも同様の事象が発生、他県がタメニーに申告しタメニーから宮城県に連絡することで、宮城県が不具合を関知することになったという。2022年8月24日にタメニーが出したプレスリリースによれば、parmsは福島県、京都府、埼玉県、秋田県、福井県、茨城県、宮城県、青森県、滋賀県が導入している。
タメニーは県の承諾を得ずにシステム改修をした理由について「メンテナンスの一貫であり、parms全体に影響を及ぼすものではないと判断したため」としている。しかし複数の県に影響を与えてしまったことから、今後は「チェック体制を改善し、システムに影響を与えそうな改修については都度各県の承諾を得る」という。
不具合が発生していた期間は2022年12月13日から2023年1月20日まで。非公開設定としていた顔写真が閲覧された人は6人、閲覧した人も6人となる。宮城県は非公開設定の写真を閲覧した人とされた人に電話で謝罪し、閲覧した人が顔写真のスクリーンショットなどを保存していないことを口頭で確認した。2023年2月2日までに本件が原因となり退会した人はいないという。