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 オムロンは2023年2月1日、モーター向けの状態監視機器「K7DD-PQ」を発表した。国内では同年3月から、国外では同年4月から順次発売する。回転数や負荷が頻繁に変化するサーボモーターの不具合や、工作機械に取り付けた工具の劣化具合を監視するといった用途に向く。工場設備の点検工数を削減したり、突発的な故障を防止したりできる。

モーター状態監視機器「K7DD-PQ」
モーター状態監視機器「K7DD-PQ」
(出所:オムロン)
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 同製品1台当たり1個のモーターを監視できる。モーターの動力線にクランプ式のセンサー接続し、K7DD-PQ本体は制御盤に後付けする方式であるため、モーター本体への設置工事が要らない。また、パソコンで動く専用アプリケーションによる初期設定を除き、外部のサーバーやクラウドといったITシステムとの連携も不要のため、導入後の管理も容易という。

 監視できる内容は、モーター自体の異常だけでなく、モーターで動かす機構の不具合を含む。例えばベアリングの劣化や工作機械の刃物の状態、切粉のかみ込みなど、さまざまだ。センサーで計測するのはモーターの電流と電圧で、その計測結果から有効電力や電流・電圧の実効値、電流における高調波の割合といった、400種類以上もの「特徴量」が求められるという。この特徴量を用いて状態監視する。

 同社は2017年から工場設備向けの状態監視機器を販売してきた。例えば、三相誘導モーターの状態や制御盤内の温度異常、絶縁不良などを監視する製品群である。今回、サーボモーターや負荷の激しい誘導モーター向けに製品ラインアップを拡充。50ms(ミリ秒)ごとの演算処理速度を実現することで、モーターの回転数や負荷が頻繁に変化しても、状態監視できるようにした。価格はオープン。