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 ネコのヘルスケア事業を展開するトレッタキャッツ(神奈川県藤沢市)は、計測・分析精度の向上を目指して九州工業大学と共同研究を開始した。IoT(Internet of Things)技術を搭載したトイレ「Toletta(トレッタ)」を用いたデータの取得と高精度な分析により、ネコの健康を管理しやすくする(図1)。

図1 IoT機能を搭載したネコ用トイレ「Toletta」の使用イメージ
図1 IoT機能を搭載したネコ用トイレ「Toletta」の使用イメージ
(出所:トレッタキャッツ)
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 Tolettaは、見守り用のカメラでネコの排せつの様子を記録する他、4つの重量センサーで体重と尿量、排尿の回数、入室の回数、滞在時間、前回からの経過時間を計測し、日/週/月/年ごとにグラフ表示する(図2)。計測データに食欲の記録などを組み合わせて、AI(人工知能)がネコの体調を分析。5000以上のパターンから、チェック結果と獣医師からのメッセージを毎日、飼い主に届ける。

図2 スマートフォンアプリでのグラフ表示のイメージ
図2 スマートフォンアプリでのグラフ表示のイメージ
(出所:トレッタキャッツ)
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 トレッタキャッツは今回、介護・医療機関のIT関連サービスを研究する九州工業大学大学院生命体工学研究科人間知能システム工学専攻の井上創造教授の研究室と協業し、計測機能の精度を高める。加えて、ネコの独特な排せつスタイルや、人の接触を含むトイレ以外での行動にも対応できる分析方法を研究する。これらにより、外見からでは分かりにくいネコの健康状態の分析精度を向上させる(図3)。

図3 計測データのグラフサンプル
図3 計測データのグラフサンプル
(出所:トレッタキャッツ)
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 同社によると、ネコは腎不全やぼうこう炎などの泌尿器疾患にかかりやすい。本能的に体調不良を隠す習性もあり、飼い主が気を配っていてもネコの病気に気づかないケースが多いという。同社は、IoTでネコの体調を捉え、習慣を変えることによって、平均15歳といわれるネコの寿命の延長を目指す。九州工大との共同研究に当たっては、北九州産業学術推進機構の支援を受けた。