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 NECと筑波大学はAI(人工知能)を利用して顔映像からむくみの度合いを推定する技術を開発した。腎疾患や心疾患といったむくみを伴う疾患の悪化防止や早期発見につなげるねらい。2023年2月10日に発表した。2024年度の実用化を目指す。

むくみ推定技術の概要
むくみ推定技術の概要
(出所:NEC)
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 特徴は主に2点ある。1点目は、複数の患者の顔映像と体重を教師データとして、AIにむくみ度合いの事前学習をさせていること。適用する患者本人の学習データが少量で済むため、負担になりにくい。2点目は、顔映像だけで推定できるため、場所や環境の影響を受けにくいこと。スマートフォンなどで撮影した写真で判定できるので、外出先でも利用でき、食事や排せつによるむくみ度合いの経時変化を分析しやすい。

 検証は、39人の透析患者から取得した約2万枚の画像で実施した。透析患者は透析の前後でむくみの有無の変化が生じることと、その際の体重変化が余分な体液の変化とみなせるため、客観性のあるデータとして利用したという。その結果、むくみの有無を正しく判別できた割合は85%だった。外観から人が判断するのが難しいむくみの変化を判別できることも確認したという。