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 AI(人工知能)・ロボット開発のベンチャー企業ロビット(東京・板橋)は、ツムラと資本業務提携を結び、第三者割当増資により4億9900万円を調達した。両社は、AIやロボットを活用した生薬選別機の導入や成分解析装置の開発を推進する。

 業務提携によって両社は、従来の協業関係を深める。具体的には[1]AIを用いた生薬の自動選別装置、[2]生薬の成分解析AI・装置、[3]AIによる業務の高度化、の3つの領域で協力する。こうした取り組みを通してツムラは、2022~2024年度の中期経営計画で目指す「生薬選別・製造工程におけるAI・ロボット活用の推進」「自働化とDX化による生産性向上」を実現させる。

 [1]は、漢方薬の原料である生薬の異物除去・不良品選別作業を自動化するもの。両社は2019年から装置の開発に取り組んできた。開発した自動選別機は、2023年4月からツムラの生産ラインで稼働する予定。今後は、導入を拡大するとともに、対象とする生薬の種類を増やしていく。

 同様の技術を生かしたロビットのソリューションとしては、食品など小型製品向けの外観検査ソリューション「TESRAY G」シリーズがある。AI・撮像・ロボティクス技術によって異物除去と不良品選別を自動化するもので、従来の色彩選別装置が不得手とする形状面の不良や、色彩が検査対象に似た異物にも対応できる。2022年5月から提供している。

 [2]は、非破壊検査による生薬の成分解析を可能にするもの。両社は2020年から、生薬を対象とした成分解析プロジェクトを複数実施している。業務提携により、この解析技術の適用範囲を拡大するとともに、その技術を実装したAI自動選別ソリューションの開発を進める。

 [3]では、ロビットのAIとソフトウエア、ハードウエアを融合したソリューションを開発する。ツムラの業務を省力化・自動化する新規プロジェクトを探索。AI・ロボティクス人材の育成も支援する。