PR

 デンソーテンは2023年2月、ドライブレコーダーの車載カメラ映像から、信号無視や車線逸脱といった交通事故の要因となる危険場面を、走行中に検出するエッジAI(人工知能)技術を開発したと発表した。今後、法人向けドライブレコーダーにこの技術を搭載し、2023年夏ごろの実用化を目指す。

 車載器に組み込んだエッジAIの画像認識アルゴリズムを活用することで、危険場面を抽出する。例えば、運転中に赤信号の無視や青信号での発進遅れ、ふらつき、車線逸脱を検出し、車載器から運転者へリアルタイムで注意を促すことができる。

エッジAIによる信号検知のイメージ
エッジAIによる信号検知のイメージ
従うべき信号Bと、対象外の信号機A、Cを判別できる。(写真:デンソーテン)
[画像のクリックで拡大表示]

 エッジAIの搭載により、車から遠く離れた小さな信号機を検知することが可能となった。加えて、交差点に直進で差しかかった場合、独自のアルゴリズムを用いて運転中の車から信号機までの距離と方向を算出。前方にある従うべき信号機と、左右にある対象外の信号機を判別できる。

 画像の濃淡から車線を検知するヒストグラム解析によって、車線とそれ以外の路面や歩道などを分離することもできる。擦れた車線でも検知可能だという。破線や二重線などの車線においても認識できる。自車から車線までの距離を正確に検知することで、ふらつきや車線逸脱を判定する。

実際に記録した映像のヒストグラム解析
実際に記録した映像のヒストグラム解析
擦れた車線でも検知できる。(写真:デンソーテン)
[画像のクリックで拡大表示]

 併せて、オートキャリブレーション(自動調整)機能を加えたことで、走行中にカメラの取り付け角度を自動で推定し補正できるようになった。これまでは、カメラ取り付け時にマーカーを使用してカメラの角度を手動で設定していた。カメラの角度が変わっても、自動で再推定できるため検知対象物までの距離を正しく測ることができ、信号検知や車線検知など危険シーンの検出精度を改善できるという。